「GitHub おじさん」のエッセンス
先日 ハッカーズチャンプルー というイベントがあり、その 前夜祭のLT で以下のスライドを発表しました。
スライドを Web に公開した後、多くの方が、目にとめてくれました。
会社に Github導入した話 #github http://t.co/YriTwBd8Vd @SlideShareさんから こういうことできる26歳になりたい
— とっしぃ☆@眼鏡祭塔コミュ (@tossy_yukky) 2014, 7月 16
色々参考になった。会社に Github導入した話 #github http://t.co/3x9vYrLcIt @SlideShareさんから
— 小室 文 Aya Komuro (@ayakomuro) 2014, 7月 16
学びがあるね。 / 他54コメント http://t.co/0xxovwafhf http://t.co/BXxlDsrTdt
— 笹木@放置系提督 (@sys_cat) 2014, 7月 16
会社に Github導入した話 #github http://t.co/6ASHt80Qj2 @SlideShareさんから
新しいこと導入しようとしても全然浸透できないから見習いたい
— いーぐる02 (@eagle02t) 2014, 7月 16
@Yutaka_Kinjyo “会社に Github導入した話”ありがとうございました、勉強になります。 http://t.co/H2VYsoA7ds
— Daisuke Horie (@dice) 2014, 7月 18
だだだ、dice さんからもリプライが! たくさん拡散されたので、ブログ書きます。
さて。
こういう"いい話"を、見たり聞いたりした後は、やる気がでます。
ですが、いざ実際にやってみると、案外つまらなかったり、誰も共感してくれなかったり、思った通りにいきません。
「あれ?おかしいな。やっぱり自分が間違ってるのかな ... 」
「あれは別の世界の人の話で、自分がいる所ではやっぱり、無理なのかな ... 」
「やっぱり自分の力では無理 ... 」
ということで、儚くもやる気はどこかへ行ってしまい、翌日からいつもの日常が戻ってきます。
いったいあのやる気に満ちた気持ちはなぜこうもあっさりと折れてしまうのか。
あの人は続けられたのに自分はうまくいかない。
そのような、悩みを抱えている方が、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
今後、「◯◯おじさん」になろうと思っている方、または少しでも現状を改善したい方に対して、私が
「GitHub おじさん」を続けるために、気をつけたことや支えになっている出来事を紹介したいと思います。
このことが、少しでも参考になるのなら幸いです。
やるか、やらないか
色々共感するわ。ただ開発は喜んでも別部署から五月蝿い奴認定されるので覚悟はいる。でもやる。・・・会社に Github導入した話 #github http://t.co/mUrNtAZmsS @SlideShareさんから
— らっしいP (@lasshii) 2014, 7月 16
すげえ。ここまでやらんとダメか… / “会社に Github導入した話” http://t.co/Q6hIODwQaJ
— Kiyoshi SATOH (@stealthinu) 2014, 7月 16
やるか、やらないかを迷っている時はやりましょう
ダメそうならやめましょう
そして、別の手を考えてまたそれをやりましょう
思いつく限りを全部やりつくしたら諦めましょう
意外と諦める前にどれか一つはうまくいったりします。
後戻りできるように、初めはスモールスタートしましょう
私が一番初めにやったことは、社内SNS で 「GiHub おじさん」を名乗ることです。
これは、いつでもやめれます。 だから気軽に始めました。
その他のチャレンジ内容
- 新入社員研修の講師陣に GitHub 使いませんかプレゼン
- 新入社員研修のカリキュラム管理に使用
- 新入社員研修の開発演習で、コード管理は GitHub
- 技術的な知見を GitHub に集約する運動
- GitHub kaigi 参加
- 社内の食堂で、GitHub kaigi の報告会を開く
- GitHub Gides を全て翻訳する(途中で飽きてやめました)
- 社内 SNS に 毎日 GitHub Tips を書く(途中で飽きてやめました)
- 社内 GitHub ハンズオン(目的なくただやるだけでは人が集まらなかった)
- 毎日社内 SNS 更新
- 内容はなんでも OK . ニックネームが表示されるので、GtiHub の宣伝に
- 内容ははてなブックマークのリンクだったり、最近興味ある技術の話だったり、観た映画の話だったり
- 4ヶ月ほど続いてる
- GitHub Blog の更新があれば、SNSで内容を紹介
- そこまで高い頻度ではないので、大変じゃない
- ゆるゆる社内勉強会主催
- 隔週
- GitHub ネタがあれば発表
- 社内の勉強会には参加
- GitHub ネタがあれば発表
- 社内で GitHub ステッカーを配る
- 自前で買ってしまった GitHub 関連書籍を貸し出す
- 本には GitHub ステッカーを貼る
- 別の開発チームにコード管理のヒアリング
- 隙があれば GitHub をおすすめする。(新たに、社内の開発チームに導入決定!)
- 言いやすい人に GitHub を口頭で進める
- 特に後輩、同期
- チャンスがあれば社外でも発表
- Octocat がめっちゃかわいいをアピールする
- 女性にヒットしやすい所感
些細なものも多いです。うまくいかないもの多いです。
が、どれかはヒットするみたいです。
途中もう諦めようなかって気持ちにもなります。そんな時はいくつかの言葉を思い出します。
私がいろいろな方からもらった言葉を紹介しようと思います。
heroku エバンジェリストの相澤さんの言葉
「まずあれをやって」「次にこれをやって」とか順番を普通考えるけど、思いついたことは全部やる。順番は関係ない。40ぐらいまでは痛い人と思われても大丈夫
覚悟。エバンジェリストにはとにかく覚悟が必要
弊社、比嘉優正
成功の反対は失敗ではなく、怠惰
何もしないというリスクがある。
やらない言い訳はいくらでもできる
上記のような言葉が今も忘れられません。
意外と、自分で勝手に制約を作り出してしまってる場合があります。
これはやっちゃだめじゃないか
ここまでやると恥ずかしい
だれかに反対されないか
なんてことが頭の中をぐるぐるします。
しかし、ほんとに心配してることは起きるでしょうか。
継続するために
「社内で GitHub おじさんという痛い人になってみる」みたいな熱量を保てるの素晴らしい / 会社に Github導入した話 http://t.co/TzR80PSMPy
— harupong (@harupong) 2014, 7月 16
空気を生み出すには言い続ける、やり続けるというのがすごいなぁと思った。その熱量を自分はもてるだろうか?という観点において。 / “会社に Github導入した話” http://t.co/sU1376EbOi
— るっか和尚 (@lucca0show) 2014, 7月 16
ほんとに偉い。この気力は僕には保てない…>会社に Github導入した話 http://t.co/eo5J4x5r2u
— 渡邊明生 (@axizannex) 2014, 7月 16
何かを継続してくのは、本当に難しいです。
継続していって本当に良くなるかもわかりませんし、成果が出るまでは地味で辛いです。
私が、継続してやれる理由として、弊社の平良知広の存在は大きかったです。
私の10年上の先輩で、少しずつチームを改善してきて、テストの自動化だったり、CIだったり、スクラムを取り入れたり、モダンな開発環境を構築してきた人です。
「あのチームだからできる。」「彼らだから特別だ。」みたいな雰囲気ありますけど、そうじゃなくて、単純に改善するということをやめなかっただけだと思います。
身近で「継続は力なり」をやってのけている先輩がいることが、GitHub 導入を継続していくモチベーションになっています。
またこれも先輩なのですが、
弊社、宮里忍
まずは一歩進む。それができたら、また一歩進む。それを繰り返していく内にいつの間にか、遠くへいける。その一歩を踏み出す為に、時には愚かな勇気みたいなものが必要かもしれない
という言葉が忘れられません。
ホントにちょっとずつ進むしかないです。銀の弾丸なんかありません。
スライドだと構成上書いていませんが、コツコツ地味な部分の方が多いです。
「GitHub おじさん 」という人格便利
はてなブックマークコメントより
「GitHubおじさん」という人格を生み出して、そいつの価値観に従って行動するの力強い。反対意見とかが飛んできても、自分自身へのダメージを軽減できる効果があると思う。ありがとう、GitHubおじさん(26)。
これがすごくその通りです。私はこれをコンビニでバイトをしている時にヒントを得ました。仕事をするときには、演技するのが効果的でした。お客さんが入ってきたら、大きな声で「いらっしゃいませ」という。会計の時に商品一つずつを金額を読み上げる。いつも笑顔でいる。そんな店員さんを演じるのが楽なんですね。割り切れます。
だから、「GitHub おじさん」っていうのはそういうパフォーマンスをするために、生み出した人格です。ペルソナと言えばいいですかね。
そういう人格を作ってしまえば、やることを規定できます。自分のミッションを他人に伝わりやすくなります。
スライドにも書きましたが、これすごい便利で、役職を超えた所でアイデンティティの確立できるんですね。
ただちょっと、本気でやらないとホントに痛い人で終わってしまうかもしれません。
現実は正解
「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。」
いい話だけはありません。今回のスライドにようにうまくいくことなんて稀です。
目の前には圧倒的現実が立ちはだかります。
時に、ものすごく泥臭い状況にもなります。それは現実であり、それが正解です。
- 時間がない
- 技術力がない
- 世の中の流れがはやく、追いつけない
- 人手不足
- 突然の事故
- 災害
上記の状況は常にありえます。
その時は、想いとかあんまり関係なくて、頭の良さだったり実力だったりが問われます。
ここは気持ちでは解決できない部分です。
現実と理想のバランスをとれることが、プロだと思います。常にトレードオフの状態を試されます。
現実を理想と近づけるためには、日頃からの 勉強だったり経験だったりが必要です。
楽にはできないです。
参考書籍
書籍『Fearless Change』の見本のような展開。すばらしいな。 / “会社に Github導入した話” http://t.co/QxF3TKt6mb
— Takuto Wada (@t_wada) 2014, 7月 17
そうです!
読んで、参考にしました。
また他に、私のバックグラウンドには以下のような書籍もあります。
- アイデアのつくり方
- 言語の社会心理学 - 伝えたいことは伝わるのか (中公新書)
- 社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)
- 自助論: 「こんな素晴らしい生き方ができたら!」を実現する本 (単行本)
- 人月の神話【新装版】
- ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)
- 脳はこんなに悩ましい
- ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
- ゆとりの法則 ? 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
- デッドライン
- アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン
- 熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理
- 組織パターン
- プログラマが知るべき97のこと
- 英国海兵隊に学ぶ 最強組織のつくり方
- アジャイルサムライ――達人開発者への道
- SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
- アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
- 「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識"を変えるビジネスモデル
- パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語 (リアリティ・プラス)
- SEのプレゼン術 (技評SE新書)
- ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム
- GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)
- チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)
一歩一歩の先
NHK連続テレビ小説「花子とアン」 卒業式でのブラックバーン校長のスピーチ
Life must improve as it takes its course.
Your youth you spend in preparation
because the best things are never in the past, but in the future.人生は進歩です
若い時代は準備のときであり、
最上のものは過去にあるのではなく将来にあります
GitHub の導入は一歩一歩進むうちの一歩に過ぎません。
このブログだって、その"一歩"の一貫ですね。
たまには派手な成果となることもあると思いますが、大半は地味な一歩を繰り返しです。
いつも、ものすごいことができるわけではありません。
期待しすぎないことがポイントです
実直さと誠実さを忘れないで、進んで行きたいものです。
以上 「GitHub おじさん」エッセンスになります。
少しでも、参考になればいいです。